住宅業界のユニクロ?

 さて、Sハウスとの商談が座礁しかけた頃、Tホームの新聞チラシが目にとまった。「坪単価25.8万円」を売り物に、九州から関西へと販売件数を飛躍的に伸ばしている「住宅業界のユニクロ」などと言われる会社である。もっと、規模は小さいが、近所には同じような低価格をうたうH建設もある。両方に、出かけてみることにした。
 まず、Tホーム。Sハウスと商談中で、プランはほぼまとまったが、金額面でうまくいっていないことを伝える。展示場を見学する。タイプの違う3棟のうち、2棟を見た。ごく普通の木造建築で大きな特徴は感じられない。キッチンなどの設備関係は、Sハウスなど大手のものを見てきた目には貧相にうつる。そのことを伝えると「客層が違いますから。」という説明だった。説明によると、この会社の低価格の理由は、仕入れコストを抑えて薄利多売をめざしているからだそうだ。そういう経営方針は確かに「ユニクロ」風なのかも知れない。しかし、私にはこの会社の家がよくは思えなかった。わくわくさせるものがない。この程度で庶民なら満足するべきだと言われている気がするのである。おそらくは一生に一度しか建てない家だから、しっかりとプランを作って、長く満足できる家にしたい。価格と相談しながら、できるだけいい家を造りたい。そう考えている私たちと、Tホームの理念とは少しちがうように感じた。そんな違和感を持ちながらも、Tホームに間取りプランと見積もりをお願いして、展示場を後にした。
 数日してTホームの営業マンが持ってきてくれた見積もりは、約50坪で1800万円ほど。確かに安い。そして間取りは…む、む?PCで作られている間取り図だが、何ともおおざっぱである。立面図で伝わる外観もまったくリアリティがなく、子どもの塗り絵みたいになっている。私が使っている『3Dマイホームデザイナー』の図の方がよっぽど綺麗だ。住宅業界のユニクロは、間取り図も低コストなのかと妙に感心した。安ければいいとは考えていなかったので、Tホームに魅力を感じなかった私たちは、その後、Tホームとの商談を打ち切った。
 もっとひどかったのが、H建設である。阪神間で営業しているH建設だが、最近大規模な商業施設の近くに営業所を構えて、新聞チラシで低価格をうたってさかんに活動している。Tホームと同じように3種類ほどの「坪単価いくら」というような設定をしている。建っているものではなく、展示場内部に部分的な構造や備品が展示されている。駆体の堅牢さを示すための模型だが、アンカーボルトが柱側に曲がってつけられている。あれれ?って感じである。竹のフローリングが選べるなど、Tホームよりは、設備にバリエーションがありそうだ。Tホームと同様に、見積もりをお願いした。数日経って、届けられた間取り図には、開いた口がふさがらなかった。
 なんと!「中庭」の上が納戸になっている!!採光のための中庭なのに…ありえない。人の話をちゃんと聞いていたと思えない。こんな家に住もうと思う人がいるだろうか?H建設とは二度と商談しなかったのは言うまでもない。

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